目で見るドローン周波数!

森 真一 森 真一

2016.12.08

師匠も走るくらい忙しいこの時期、皆様いかがお過ごしでしょうか。
このハリマブログでも何度かご紹介させていただきましたが、弊社は「空撮館」というドローンを用いた空撮サービスを行っております。

おかげさまでご好評をいただき、日夜西へ東へ奔走中でございます。
そんな折、とあるクライアント様よりご質問がありました。
ドローンを使用する際に発せられる周波数の詳細を教えてください。
ドローンを飛行させる際に使用する電波が、飛行予定である工場内の機器と干渉し不具合が起きるのでは?と懸念されてのご質問でした。

早速調査にあたります。
弊社の使用するドローンはDJI社製PHANTOM3PROFESSIONALです。
ドローンといわれるものの多くは(日本では)2.4GHz帯を利用し飛行や映像転送を行うことは我々空撮チームでも周知の事実。

DJI社が公表している仕様にも、「送信機 動作周波数 2.400GHz~2.483GHz」と記載されてます。
ただお客様からご要望があったのが、この帯域間のどの部分を使用しているのか、ということだったので、より詳細な情報が必要となったのです。
もともとPHANTOM3PROを操作するアプリ「DJI GO」の設定で周波数チャンネルのカスタムができることは我々も理解していました。

13ー20の8チャンネルあります。

つまるところ、例えば13チャンネルは「2.400GHz~2.483GHz」のどこからどの帯域までを使用しているのか……という情報が欲しいわけです。他のチャンネルももちろんいわずもがな。
が、いくら調べても答えが出ないのです。 DJIの正規代理店、DJI JAPANへ問い合わせても納得のいく返答は得られず、DJIの中国本社へ英語で問い合わせるも、返答は 「送信機は特定周波数を切り替えるような仕様ではない」でした。

それではDJI GOの周波数チャンネルは何なのでしょうか。
何のためのチャンネルカスタムなのでしょう。 こうなったら自分たちで測定するしかないと、周波数の測定ができる施設を探したところ、「兵庫県立工業技術センター」で調査が可能だという情報を得ました。

早速、機体と送信機を施設へ持ち込み測定していただきました。

結果は。。。目には見えない周波数が目の前で踊るように波打っていました。
さて、ここからが本題です。
※実際の測定作業は兵庫県立工業技術センターの研究員の方に機器の取り扱い方法をご説明いただき筆者自身で行っております。

まず、はじめに筆者自身が大いなる勘違いをしていました。
ドローンが使用する電波というのは、そもそも2種類あったのです。
①送信機から発信されている、機体操縦命令用の電波 ②機体本体から発信されている、映像転送用の電波 冷静に考えればわかるのです。
いや空撮チームの皆は知っていた事かもしれませんが。


まずは①の送信機の測定。

画像の通り2.4GHz帯ほぼ全域を使用し、より通信を安定させるためにホッピング方式と呼ばれる技術が使われているそうです。 つまり、仕様にある「送信機 動作周波数 2.400GHz~2.483GHz」の記載通りというわけです。 次に問題の②機体本体の測定。 「DJI GO」の「映像転送設定」の項目にある周波数チャンネルについては、この機体本体から発信される周波数の切り替えを行える機能でした。

画像ではわかりにくいですが、周波数の帯域が2.401GHzからおおよそ0.10GHzごとに切り替えるものでした。見事に各チャンネルへ割り振られてます。
チャンネル13 … 2.401 ~ 2.410GHZ
チャンネル14 … 2.411 ~ 2.420GHZ
チャンネル15 … 2.421 ~ 2.430GHZ
チャンネル16 … 2.431 ~ 2.440GHZ
チャンネル17 … 2.441 ~ 2.450GHZ
チャンネル18 … 2.451 ~ 2.460GHZ
チャンネル19 … 2.461 ~ 2.470GHZ
チャンネル20 … 2.471 ~ 2.480GHZ

ちなみに、カスタムではなく自動選択を選んだ際は、安定した周波数を検知し自動でチャンネル選択がなされていました。 スッキリした。

今回測定したことによりDJI社の製品が如何に優れているか理解するとともに、 電波という目には見えないものを扱っているといいう認識を得ることができました。 まだまだドローンの墜落や衝突の事例などはニュースで見かけます。 今後もこの素晴らしい技術を安全に有効利用できるよう、日々挑戦をしていきたいと思います。 それでは皆さま、「ご安全に!」

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森 真一

営業部 営業課

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